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ー原状回復の手順を徹底解説:トラブルを避けるポイントー

 

賃貸物件を退去する際に必要となる「原状回復」。これを適切に行わないと余分な費用が発生したり、オーナーとのトラブルに発展することがあります。本記事では、原状回復の基本知識や手順、注意点を徹底解説し、スムーズな退去をサポートします。

 


1. 原状回復とは?基本的な考え方

1.1 原状回復の定義

原状回復とは、賃貸物件を退去する際に、その物件を借りた当初の状態に戻すことを指します。ただし、経年劣化や通常の使用による損耗は、借主が負担するものではなく、貸主の責任となる場合が多いです。

 

1.2 借主と貸主の負担区分

原状回復における費用負担は、以下のように区分されます:

 

  • 借主負担:タバコのヤニや臭い、壁紙の破損、床への深い傷など、故意や過失による損傷。
  • 貸主負担:経年劣化や通常の使用による損耗(例:フローリングの色あせやカーペットの摩耗)。

 

1.3 国土交通省のガイドライン

国土交通省が示した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、原状回復の基準が具体的に定められています。このガイドラインを理解しておくことで、退去時のトラブルを防ぎ、スムーズな手続きを進めることが可能です。

 


2. 原状回復の基本手順

2.1 退去通知を行う

まず、賃貸契約書に記載されている退去通知期間(通常1~2か月前)を確認し、管理会社やオーナーに退去の意思を通知します。通知は早めに行い、退去準備を整える時間を確保しましょう。

 

2.2 物件のチェック

退去前に、物件の状態を自分で確認します。以下のポイントを重点的にチェックしましょう:

 

  • 壁や床の汚れや破損:特に傷や汚れ、日焼けなどがないか確認します。
  • 水回りの状態:キッチンや浴室のシンク、排水溝に汚れや詰まりがないかチェックします。
  • 付帯設備:照明器具やエアコン、換気扇などが正常に動作しているか確認します。

 

2.3 修繕が必要な箇所の特定

借主が負担するべき損傷や汚れを特定し、必要な修繕を行います。小さな修繕は自分でできることもありますが、大きな損傷があれば、専門業者に依頼することを検討します。例えば、壁紙の破れや床の傷はプロに任せるのが安心です。

 

2.4 清掃の実施

退去前に徹底的な掃除を行い、できるだけ入居時の状態に戻します。特に以下の箇所は念入りに清掃しましょう:

 

  • キッチン:油汚れや焦げつきは徹底的に落とします。
  • 浴室:カビや水垢を取り除き、清潔な状態にします。
  • :汚れや埃がたまりやすいため、しっかり掃除します。

 

2.5 管理会社との立ち合い

退去時には、管理会社やオーナーと一緒に物件をチェックします。この際、物件の状態を確認し、写真を撮影して記録を残しておくと、後のトラブルを防ぐために有効です。

 


3. 修繕や清掃の具体例

3.1 壁や床の修繕

壁紙に小さな穴や傷ができてしまった場合、市販の補修キットで簡単に修繕できます。傷に補修パテを塗り、乾かしてから塗装することで目立たなくなります。また、床の傷も専用の修復剤やワックスを使えば、目立たなくすることができます。

 

3.2 キッチンの掃除

キッチンは特に汚れが蓄積しやすい場所です。換気扇やガスコンロにこびりついた焦げ付きは、専用のクリーナーを使って除去しましょう。シンクの水垢は、クエン酸を使って落とすと効果的で、清潔感を保つことができます。

 

3.3 浴室のクリーニング

浴室はカビや水垢が付きやすい場所です。カビ取り剤や専用のブラシを使って、浴室の壁や床をしっかり掃除します。また、排水口が詰まっていないか確認し、問題があれば掃除しておきます。水垢はクエン酸で除去でき、清潔な状態に保つことができます。

 

3.4 窓やサッシの掃除

窓ガラスはクリーナーで丁寧に磨き、サッシ部分の埃や汚れを拭き取ります。これにより、部屋が明るく感じ、印象が大きく改善されます。また、窓枠の隅々まで拭き取り、汚れが残らないようにしましょう。

 

3.5 照明やエアコンのチェック

照明器具のホコリを取り除き、電球の動作確認を行いましょう。また、エアコンのフィルターを掃除し、動作確認も行っておくことが重要です。これらの細かいメンテナンスが、退去時の印象を大きく左右します。

 


4. 注意すべきポイント

4.1 契約書の内容を確認

原状回復に関する条件は、賃貸契約書に明記されています。特に特約事項がある場合、通常の原状回復とは異なる規定が適用されることがあります。退去前に契約書を再確認し、どの部分が借主負担なのかを確認しておきましょう。

 

4.2 専門業者の利用

自分で修繕や清掃を行うのが難しい場合、専門業者を依頼するのが安心です。費用はかかりますが、業者による質の高い修繕や清掃が期待でき、トラブルを避けることができます。また、業者が行った作業は証拠として残すことができ、後々の確認も容易です。

 

4.3 立ち合い時の記録

退去時の立ち合いでは、物件の状態を写真に収めておくことが重要です。写真は修繕費用に関するトラブルを未然に防ぐ手助けとなります。特に傷や汚れがあった場合、その証拠を残しておくと後の問題解決に役立ちます。

 

4.4 費用負担の交渉

修繕にかかる費用について疑問がある場合は、管理会社やオーナーと話し合いましょう。国土交通省のガイドラインを参考にし、冷静に交渉することが大切です。特に、経年劣化による損耗については、借主が負担する必要はありません。

 

4.5 領収書の保管

修繕や清掃にかかる費用の領収書は必ず保管しておきましょう。後で費用が問題になった場合、領収書を提示することで証明できます。万が一のトラブルに備え、記録として保管することをおすすめします。

 


5. まとめ

原状回復は賃貸物件を退去する際に避けては通れないプロセスですが、正しい知識と準備があればスムーズに進めることができます。まずは契約書を確認し、負担区分を理解しましょう。修繕や清掃は自分で行える範囲と専門業者に任せるべき範囲を見極めることが重要です。さらに、退去時の立ち合いや記録の残し方にも注意を払いましょう。

 

これらのポイントを押さえれば、トラブルを最小限に抑えながら原状回復を進めることができます。計画的な準備で、円満な退去を目指しましょう。

 

2025.01.17